つれづれ日記 —2016 6月—

A3 ガッシュ/マーメイド紙
A3 ガッシュ/マーメイド紙

NEW! 2016/06/28  <きずな展2>

 

「きずな展」のための作品。

「きずな」もしくは「明るく元気の出る絵」というテーマ指定があった。

 

ま、いつも儚げで切なげで物憂げな女性ばかり描いているので、明るく

元気と言われても、慣れないせいでけっこう難しいのだが。

 

「きずな」という事で・・・日の丸にしました。別に右翼じゃないです。

元々は「太陽」からきてると思うのですが、ま、つまり太陽=明るいみ

たいなイメージで。

見上げる女性は「明日」を見つめています、つまり=復興ですね。

 

表情はそんなに明るく元気な感じではないですが、うつむくよりかは

ポジティブな印象かと。

 

ところで、テーマ指定だと色々考える時間が増えるんです。

自由に描くより、その考える時間がかなりの割合になる。

 

熊本の復興と言われて「くまモン」描くのもベタだし、手を繋いでる

子供達もありがちだし。

やはり自分の作風の範囲でないといけないけど、明るい絵は苦手だし

・・・いやはや難易度高かったです。

 

因みに今作は紙にガッシュで描きました。描き込みもあまりしていません。

それは、原画の販売だけでなく、ポストカードの販売も同時にするので、

微妙、複雑な色味や階調は避けて、分かり易い仕上がりにしたかったから

です。

普段より明るい印象だと感じて頂ければ幸いです。

2016/06/27 <きずな展>

 

7月1日から始まる熊本地震復興支援チャリティー「きずな展」

に出品する事になった。

3.11の際にも参加した企画展だが、今回も。

 

実に5年ぶり。「もう5年も経ったのか」という感慨もあるが、

東北の復興はまだまだだし、福島の原発は・・・。

そして今度は熊本での大きな地震。

幸い実家には被害はなかったが、私も九州者なので他人事ではない。

 

で、前回も非常に悩んだのだが、こんな時に「絵描きにできること」

ってなんだろう?という事。

本当に非力で、社会で何の役にも立っていないんじゃないか?と

無力感に襲われてしばらく描けなくなった。

一番役に立つのは自衛隊だな〜、とか。

 

でも結局のところ、絵描きは絵を描く事しかできない。

なので、間接的になってしまうけれど「寄付」という所に落ち着いた。

ま、額にすれば微々たるものだけど、ちょっぴりでも自分の能力と繋

がる形で、復興の支援になればと思う。

 

因みに200名程のクリエイターが参加し、その原画とポストカード

などのグッズを販売して、売上を「全額」寄付します。

主催のトッパン印刷も作家も一銭も受け取りません。

 

ま、当然なんだけど、中には経費をサッ引いて(主催者の腹は傷めず)

作家には泣いてもらう、というチャリティー展が横行していると聞く。

本当にファックな奴もいたもんだ、と思う。

つれづれ日記 —2016 5月—

NEW! 2016/05/25 <ジャケット展2>

 

6月3日から開催の「ジャケッアート展」、

原画だけではなく、原曲の作曲家と曲名、奏者などをデザインした「フェイクCD」も

同時に展示する。

画家が選んだ曲をCDに収録し、デザインされたパッケージと共に展示される。

 

で。苦労の末「絵」は描いた訳だが、パッケージのデザインは別モノで、自分の描いた

絵を、極力客観的に見てデザインしなければならない。

 

ドッビュッシー「月の光」を選曲した事から、当初は「クラシカル」なデザインをした。

文字も「筆記体」のフォントで。

 

しかし、出来上がったモノを見ると・・・地味なのだ。

「絵」自体がアカデミックな木炭デッサンなので、言わば「落ち着いちゃってる」と言う

感じ。

 

なので敢えてフォントをゴシック系に変更し「保守的な画」と淡々とした文字で、逆に

現代性を感じられるようなデザインにした。

 

それから。

自分の絵に「文字をかぶせる」ことに賛否がある。

かつて某版画家は「バーコード」が絵にカブルのが気に入らないと言って、イラスト系の

使用を禁じた、と言う話を耳にした。

 

それは分かる気もするが、自分は逆に第三者にイジって貰いたい派。

自分の思っている印象と他人の印象は同じじゃないですからね。

ま、今回は両方を自分一人でやる訳ですが。

 

ちなみに私のCDデザインは、

作曲者「ドビュッシー」

曲名「月の光」

演者「辻井伸行

です。

350×350㎜ 木炭/画用紙
350×350㎜ 木炭/画用紙

2016/05/20 <ジャケット展>

 

6月3日から麻布十番のパレットギャラリーで開催される『ジャケット・アート展』

の為の作品が、やっと完成した。

 

この展覧会は、作家がお気に入りの一曲を選び、そのCDジャケットを制作するという

企画。

右の原画の他に、デザインされたフェイクCDも展示する。

CD盤にも原画をプリントするという念の入れようです。

 

今回も「木炭のみ」で描いた。

すでに習作を描いているが、サイズも規定があったり仕上がりに満足してなかったり

したので、全く新しく描き直した。

 

習作と構図はほとんど同じだが、トレースせずに描き始める。

一度描いているので要領は分かっているのでスイスイに進むと思いきや・・・

やはり「簡単に描ける絵」なんてないんですね〜!前作以上に時間がかかりました。

 

で、〆切日にやっと完成し、スキャンしてそれからデザイン作業・・・のはずが、

どうも絵がおかしい。でも間に合わないので取り急ぎデザインしてデータを画廊に送る。

 

2、3日して見てみてもやはり違和感が残ったので、修正する事に。

でまた、スキャンしてデザイン。

原画はほんの少し加筆しただけなのに、前回のデザインがどうも合わない。

なので一からデザインもやり直し!それで今日、やっっと完成しました。

 

なので。

展示するのはたった一枚だけなのだが、メチャクチャ手間が掛かっております。

実は右の作品の前に、カラーの作品も途中まで描いて、でもやっぱりモノクロが良いと

思い、それはボツにしたので、それも入れるとトンデモナイ時間が掛かってます。

 

原画(額装込み)とCDとで¥55000(税別)。

これは・・・お買い得過ぎです。