つれづれ日記ー2014 10月ー
NEW! 2014/10/30 <横トリ>
「横浜トリエンナーレ」に行ってきた。
まぁでも、この手の大規模展はあまり楽しめないんだよなぁ。
一応、行っとかないと?って感じで行くには行くんですが。
結論から言うと「銀座で画廊巡り」が一番楽しい!
何故かというと・・・銀座はペインティングが多いから。
そして「個展」が多いので、その作家の世界を深く体感できるから。
絵画は一枚一枚も大切だけど、個展会場全体もー大袈裟に言えばー
作家の宇宙なので。
それに包まれたような気分になると、鑑賞者である私もその世界に
浸れるんだなぁ。
で、グループ展になるとその「包まれる」ような感覚はないわけで。
ましてや横トリのような大規模展になると、ね。
あと、コンセプチュアル系が多く、いちいち解説読まないと理解で
きなかったりして「楽しむ」感じじゃないんです。
それに比べたら、絵画はまだ直感的で楽しめる。
というわけで2時間ほどで見終わって、山下公園まで歩いてみると、
右の写真の光景が!
これはなんとも皮肉です!「横トリ」に対する痛烈な批評です!
思わず「やられた!」と思いましたよ、鳩さん達!
これぞまさしく「横鳥」。
2014/10/10 <HELLO KITTY>
「wit ハローキティー展」のオープニング・パーティーに参加してきました。
ひっきりなしに人が出たり入ったりで、常時混みこみ、大盛況でした!
私の作品の前で、絵と一緒に写真を撮ってる人なんかもいて、ちょっと嬉しかった。
ま、わたし以外の作品と一緒に写真撮ってる人もたくさんいましたが。
とにかく、キティーちゃんは大人気なんですね♡
で、パーティー終盤に、イラストレーターの空山基さんがいらして。
私がまだ田舎の少年だった時代に、「スーパーリアル・イラストレーション」の
大ブームが巻き起こっていて、空山さんはその中でもスーパースターだった。
後で考えると東京と時差があって、その後上京した時には既にスーパーリアルの
ブームは去っていたんだけれど、田舎者だった私にはまさにリアルタイムだった。
親にねだってエアブラシも買ってもらったし。
恐るおそるお声を掛けたら、気さくにお話してくださいました。
私の絵を見て「おぉ!上手いじゃん。でも値段が安いよー。自分の絵を安売りし
ちゃダメだよー!」と言って、帰っていかれました。
ちなみに。
空山基さんの作品は100万円。私のは15万円です。(サイズは同じですー)
2014/10/10 <HELLO KITTY>
10月10日(金)〜11月3日(月祝)
中目黒MDP Galleryで開催中の「with ハローキティー」展にて
『¥150.000(税別)』で販売中です!(会期中無休)
なななんと!「キティーちゃん」を描きました!
生誕40周年記念で「with ハローキティー展」への参加依頼がきたので、
参加する事に。
初めは正直、軽く考えていたのだが、いざ取り組んでみると難しい!
まずアイデア段階で「和」でいこうと考え、白無垢、くノ一、振袖、浴衣・・・
など思いついたのだが、念のためネットで検索すると、既に商品化されている。
なので、コスプレで勝負するのは無理と判断し、情景を描くことにした。
歌舞伎の演目の「鷺娘」からヒントを得て、「幽玄」というコンセプトにした。
この「流し目」キティーは世界で唯一、この絵だけだろう。
しかし難しかった。
顔の微妙なアールや目と鼻の位置関係などなど、生半可なデフォルメを受付けない。
やはり「40年」これでメシを食って来た(?)キャラクターはダテじゃない。
私みたいなのが軽はずみに手出しするべきではない。
だから最大限、キティーをリスペクトすることにした。
皆様、お時間ありましたら是非、原画を観にお越しください!
つれづれ日記 ー2014 9月ー
2014/10/07 <コラボアート東京3>
コラボアート展の出品作中、唯一の新作です。
美容室での展示という事で、すこし「メイク」を意識して描いてみた。
ちょっと暗く沈んでしまったな、全体的に。
特に肌の部分はもうちょっと彩度高めにしたかった。
今後の課題でもあるが、解決策も思いついたので、次回から試してみよう。
ところで。女の子のメイクって好きなんですよね♡
女性の場合、一定の年齢になれば化粧した顔が「オフィシャル」で、むしろ
スッピンは家族にしかさらさない。
これは男性とは大きく違うところです。
その辺の心境について教えて欲しい。とっても興味がある。
で、絵画の世界では。どうもスッピンを描かなければならないという固定観念
があるような気がする。
しかし、メイク顔の方がオフィシャルだとしたら、それを描く方が自然なんじゃ
ないだろうか?
ま、技術的には難しくなるけれど。
どうしてもファッション(イラスト)っぽく見られちゃうし。
でも自分としては、この「メイク顔」をなんとかモノにしたいと思ってます。
(10月9日追記:オーナーさんの判断で、この作品は展示しない事になりました)
2014/10/05 <コラボアート東京2>
「コラボアート東京」、展示作品です。
今回は「コラボ」という事で、ポートフォリを提示して先方に選んで頂きました。
けっこう以前に描いた作品で、いかにもドローイングといった仕上りだったので、
少し加筆した。
でもまぁ、ドローイングです。
展示会場が美容室とうこともあって、あまり暗くヘビーな絵は控えようかな、と
考えていたので、ちょうど良かったかもしれない。
それにしても。
絵って、選ぶ人によって違いますね!
この作品を含め、あまり見向きもされなかった作品を「いいね!」と言って頂いて、
嬉しいというか。戸惑うというか。
そういう意味でも、たくさんの人に観てもらわないと、善し悪しは分らないですね。
2014/10/02 <コラボアート東京1>
「企業コラボアート東京2014」というイベントに参加する事になり、「月刊アートコレクター」
と「デザインノート」という雑誌に、私の事が(少しではあるが)掲載された。
このイベントには初参加なのだが、なんでも渋谷・原宿・青山・代官山エリアにある企業・店舗
に、アーティストの作品を展示し「街を会場に」する、という企画である。
私は代官山(恵比寿)にある「ヘルベチカ」というヘアーサロンで展示する事になった。
基本的に、カフェや美容室での個展には消極的なのだが、主催者であるMDP GALLERYさんの
開催主旨に賛同し、展示する事にした。
一言で言えば「アーティストの側から近寄っていく」という事。
本来なら「画廊で個展」をするのが基本なのだが、作家が想像する以上に、一般の方にとって
「画廊」とは馴染みのない存在なのである。
「敷居が高い」「小難しい芸術論を吹っかけられそう」「ムリヤリ買わされそう」・・・といった
イメージを持たれているし、それよりも何よりも「眼中に無い」というのが実際だろう。
ならば、アーティストの側から敷居を下げて、まずは興味を持って頂く。
もちろん、そこで関心を持った方々には、次の個展の際には画廊に足を運んでみませんか?という。
こういった活動も、もっと行っていくべきかもしれない。
2014/09/19 <装画コンペ2>
ギャラリーMAYA「装画コンペ」の、初めに描いた一枚「たそがれ清兵衛」です。
いや〜、とにかく時間が掛かります、時代考証に!
洋服の絵に比べて3倍くらい掛かります。
で。審査員の方の寸評で着物が「ヘン」だと。
なのでまた、ネットや図書館で調べて修正しました。
でも、自信ないです。
着物は何とか調べたとして、じゃあ「髷は?」とか、下駄なのか草履なのか?とか。
あるいは武家と町人の装束の違いは?とか、独身と既婚者でそのへん違うの?とか。
描き出してからも次々と疑問が湧いてくるので「ノって」描けない。
それから、この絵も定着液で固めてしまってたので、加筆が困難を極めた。
本来の狙いとしては日本絵画っぽい「サラッ」とした表現にしたかったのだが、絵
具がもう、のらなくなっていたので、厚塗りせざるをえなかった。
なので、顔や手の部分は、ちょっと「浮いた」感じになってしまった。
ま、とにかく。
時代物は難しいですね!私にはまだ、早いのかもしれません。
(あぁ〜でも藤沢周平、好きなんだよね〜)
2014/09/13 <装画コンペ1>
ギャラリーMAYAの「装画コンペ」、今年は「最終選考」どまりでした。
右の絵は堀辰雄の「風立ちぬ」を描いたもの。
2点応募したうちの、後で描いた1点なんですが、一枚目が描き終わった
のが、締切りの午前中。
もう間に合わない、と思い風呂に入ってくつろいでたんですが、もう一枚
描かないと先に描いた作品が無駄になってしまう!と考え直し、午後から
描き始めた。
5時間しかないので、考えてる暇がなく、描いて描いてで、離れて見たり、
立ち止まって考える事が出来なかった。
なんとか体裁を整えて、締切り時間ギリギリに搬入したので、写真を撮る
時間も無く、自分でもどんな絵だったか覚えてなかったのだが、先日搬出
して、改めて見直してみるとまぁ、ヒドイもんだった!
あんなの出して恥ずかしい!
なので、持って帰ってから加筆してみたが、既にフィクサ(定着液)でガ
チガチに固めていたので、それを溶かして拭き取りながらの修正作業だっ
たので、思う様にいかなかった。
ま、でも自戒の念を込めてWebに晒しておきます。
2014/09/08 <人形と絵画・其の四>
竹内栖鳳曰く「絵画の主眼といふものは、外に現れたるものより内
に含有してあるものを顕すが最も必要。それを顕すが為に外の形を
借りる」。
すなわち、日本絵画が伝統的に得意とする「写意」だ。
一方で栖鳳は、西洋絵画の「実物観察」の長所も尊重してい、写意
との融合が理想であると説いている。
与勇輝の作品もまさに、実物観察と「写意」だろう。
それに対して「蝋人形」は、フォトリアリズム絵画のようなもので、
ただただ表層や現象を描き込む事で、かえって虚像になってしまう
という典型ではないか。
(注)フォトリアリズムはその虚構性が狙いですが。
もっとも。
現代においては、絵画に写意だのデッサンだのは必要ないそうだ。
最も重要なのはコンセプトだそうで。
それは私も頭では理解できるのだが・・・。