つれづれ日記 —2016 8月—
NEW! 2016/08/13 <筆の置き時>
「筆を置くのは描き始めるより難しい」と言うお話。
右作は本日やっと完成しました。
ちなみに今日から始まる展示用の作品です(汗)。
実は3日前に一度完成していたんです。
で、写真撮影しようと思い、改めて見直すとどこか「?」の部分が。
と言っても大問題ではんく、ほんの少しシックリいかない、些細な何か。
でちょこっと手直しすると、(後になって気づいたのだが)全体のバランス
がオカシクなって、あっちもこっちも手を加えるハメに。
で、何とか完成した、と思い筆を置いたのだが、一服後に見ると今度は「描き過ぎ」。
ここで「もういいや、間に合わないし」とも考えたのだが、やはり気に入らない。
なので締め切りは破る事に決めた。
で、今度は描いて固着した描画部を剥離剤で取っていく。
上手い事取れるはずもなく、マダラになってしまった。
仕方なくジェッソで「半潰し」にしてから、改めて描き直す。
「あそこで止めときゃ良かった!」とつくづく思うが後の祭り。
まさに「筆の置き時」を見誤ったのである(泣)。
当初は「元に戻そう」と考えていたが、途中でそれは不可能である事を悟り、別物
として何とか仕上げた。
元々の作品と今作の仕上げあり、どちらが良かったのかは・・・考えない事にします。
「筆を置くのは描き始めるより難しい」という格言を思い知った夏の夜でありました。
つれづれ日記 —2016 7月—
2016/07/15 <真夏の夜の夢展>
8月13日から始まる「真夏の夜の夢展」のための作品。ま、デッサンかな。
今回も基本的に木炭で描いた。紙ベースだが、ジェッソ(地塗り剤)も使った。
木炭で描き→ジェッソを薄塗り→描き→薄塗り・・・の繰り返し。
それで形や調子を整えていったり、顔の造形も徐々に変えていった。
描き出しから比べるとけっこう変化していて面白い。
(この途中経過は作者である私しか知らない事ですが)
全体的にグレイの中間調でまとめてみた。
途中はハイライトの部分など、けっこうホワイトをのっけてたんですが、
徐々にコントラストを無くす方向に。
これはいつも迷うところなんです。
実際の人間って、そんなにコントラストって無い。と思う。
で、「光」に拠って劇的に彫刻的な陰影が発生する。
特に東洋人の場合で「順光」であればそんなに陰影は付かない。
ほとんど「肌の色」一色だけ。
あとはパーツ的に目玉の白黒と唇の赤みくらい。ま、髪は真っ黒ですが。
コントラストを強調すれば強くモダンな仕上がりになる。
けれどイラストっぽくなる。
コントラストを付けないと「弱く」なりがち。で、描写で成立させようと
するとダサくなりがち。
そこをダサくならず画面としても弱くならないようにするのは、けっこう大変。
ま、今作でそんな問題が全て解消した訳ではないが、何とか他人様に見せられ
る位には持ってこれたかな。
ただ、「真夏の夜の夢」と言うテーマとは関連性が薄いかも・・・。
2016/07/02 <美女展>
本日7月2日より銀座かわうそ画廊で「真夏の美女展」がスタートした。
ま、真夏というには若干早く、しかも制作は更に前なのでテーマは梅雨。
ま、雨降りですね。
いや〜、傘って難しいんですよ!骨組みもだけど「光」の加減も。
今回モデルさんにポーズをとって貰って、描いてみて思ったのだが、
傘をさすと「顔は暗がりになる」。
物理的にはそうなるんです。で、そう言う風に描くのも一つの方法なん
ですが、今回はその辺の物理的なことは無視しました。
技術的には木炭で描いたのだが、今回はジェッゾで下地を作りつつ、
並行して描き込んでいった。
そうすると紙の下地は消えて無くなり、紙だけが持つ「奥行き感」は
得られない。
が、逆にハイライトのホワイトはドンドンのっけていけるので、描き
こむ上で楽ではある。
どちらが良いかは好みの問題もあるが、何とかホワイトを使う技術を
モノにしたい。
やはり、ハイライト(の紙の下地)を残しながら描くのは骨が折れる
し、全体的に「黒っぽく」なった時に取り返しがつかないんです。
これがかなりのストレスなんです。
ま、まだまだ改善点はあるけれど、今回はこの作品を展示しています。
発展途上の方が面白かったりもするし?
ぜひご一見ください。7月7日(木)までの開催です。
2016/07/01 <きずな展>
「きずな展」のレセプションに出席してきました。
汐留のトッパン印刷のショールームで作品展示がされています。
原画のポストカードも一枚100円で販売していて、購入すると全額が
熊本の復興支援に寄付されます。
昨夜、デザイナーの葛西薫さんも仰っていたのですが、クリエイターが
震災復興に何ができるか?何も出来ないんじゃないか?!と言う葛藤が
あった、しかし「自分に与えられた目の前の仕事を全力でやる」。
これで良いんじゃないか、と。
今回の件で言えば、原画が売れるか、ポストカード一枚でも売れば、
少なくとも100円の寄付にはなるので、全くの無力ではないのかな、と。
7月10日までの開催なので、ぜひお越しくださいませ!
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