つれづれ日記 ー2014 4月ー
NEW! 2014/04/27 <個展終了>
昨日、個展が終了しました。
今回はそこそこ、評論家やコレクター、ギャラリストの方が来られて、
ご意見を聞く事ができた。
価格設定の事とか、お客さんが来易いDM作りとか、ポートフォリオの
必要事項とか・・・自分では「知ってるつもり」の事が、まだまだ未熟
だったと気付かされた。
なかでもステイトメントやコンセプトの重要性について認識を新たにした。
自分の作品を「言葉で」説明するのは、照れもあるし、ネタバレでもある
ので、どうしても抽象的な語彙で済ませがちなんだけど、世間がそれを認
めない風潮が、すでに定着してるんだなぁ。
これは結構な大仕事ですよ、実は。
どうしても作家は「作品さえよければ」と、理論やコンセプト、あるいは
セルフプロデュースをないがしろにしがちだけれど。
理詰めで自作を考察すると、自分でも案外「なんとなく」の感覚で制作し
ている事に気付く。
イヤな作業でもあるんだけど、自分を再発見する契機にもなる。
これは時間を掛けてでも、やらねばなるまい。
2014/04/25 <個展用タブロー9>
個展用タブローの9作目、最後の作品。
先の一枚をボツにしたのでもう「失敗出来ない!」。
しかも時間がないという切迫した状況。
なのに何故か攻めてしまい、後退戦を強いられることに。
具体的には、背景を(そこそこイイ感じだったのに)もう
ワントーン落として、若干のマチエルが欲しいなと思い、
絵具をのっけたら、真っ黒に。
とにかくそれを取る作業に追われてしまった。
最後にはなんとか、展示レベルまではもってこれたかな。
これも「偶然性」の一種と思って、自分を納得させる。
ま、確かに背景をこんな色や絵肌にするなんて、自発的には
出てこないから。
毛色違いの絵があってもいいか。
だって、もっともっと描けばいいだけだから。
2014/04/20 <個展準備4>
18時から、いよいよ搬入&陳列。なのに、作品がまだ仕上がってない。
早朝から作業開始。乾き待ちの間に、展示用のキャプションを作り、また描いて、その間に
ポートフォリの出力やらプロフィールとかステイトメントの作成。
あ〜マジで間に合わないじゃないか?!と時計をみると、まだお昼の12時。
おぉ〜!なんという作業効率!!いけるかも!と自信を取り戻す。
仕上げのコーティング剤を作品に塗布して、サーキュレーターを強にして乾燥させる。
その間にポートフォリオなども完成!出発時刻になんとか乾燥も間に合ったので、
コロコロを引っ張って駅に行くが・・・中央線が止まっとる!!
イライラさせられたが30分遅れでなんとか画廊に到着。しかし前の展示者が搬出を終わらせてない。
どころか、作品を壁から外しもせず一点一点チンタラと梱包しているので、注意したが「スミマセン」
の一言もないので、たまらずブチ切れる。展示スペースからそいつを追い出して、速攻で展示作業。
1時間で完了し、夜の7時には画廊を出た。
帰宅するとドッと疲れが出、なぜか腹も減らないので熱燗をあおって、風呂も入らず爆睡してしまった。
2014/04/19 <個展準備3>
今日は搬入第一弾。カネがないので業者は使えず、今回はコロコロキャスターで手搬入。
画廊に作品を置かせてもらうと、銀座伊藤屋と新宿世界堂で画材の補充。
帰宅したのは既に夕方。ここから最後のB1作品を、明日までに仕上げなければ!
のり過ぎた画材の拭き取りはもう限界なので、不透明系の画材で明度を下げる作業。
本当は不透明顔料系の画材で上描きするのはやりたくないのだが、仕方が無い。
しかし最小限に留めたいので、薄く引いて乾かして様子を見、また塗って・・・の繰り返し。
ジリジリと胸苦しく、時間ばかりが過ぎて行く。
2014/04/18 <個展準備2>
もう一枚のB1作品、出だしはイイ感じだったのに攻めって失敗に!
でも、なんとか展示レベルまでもって行かなければ!!
思いきって画材をぶちまけたら、予想以上に真っ黒になてしまったので、これを取るのに時間を浪費することに。
剥離剤や水をかけてはスポンジで拭き取る作業を延々と繰り返す。
しかし一回に取れるのは微量で、画材まで無くなってしまった。
あのとき「攻めなきゃよかった!」と、つくづく後悔するも後の祭り。しかも画材切れで作業もストップ。
予定ではこの時期には作品は完成していて、DM配りとか宣伝活動に精出してるはずだったのに・・・。
2014/04/17 <個展準備>
「二枚同時描き」に失敗し、B1サイズの絵を一枚ボツに。これは痛い。
5割がたできた状態ではマズマズだったんだけれど、攻めて失敗に。
こういう時、水彩系はいったん潰して上描きする事ができないので辛い。
しかしこれ以上関わってもドツボにはまる予感がしたので諦めた。
これでもう一枚のB1作品は失敗出来ないことになってしまった。
なんだか精神状態が不安定で、気持ちがすぐれない。
2014/04/11 <タブロー8>
個展用タブロー8作目。
まあまあ、かな。
ちょっとマチエルが派手に出過ぎちゃったけど、
出ないよりはいい。
あと8日間で、B1サイズ(728×1030㎜)を2枚仕上げなければ!
マジで「二枚同時描き」しかない。
で、いつもそうなんだけど、
この時期になるとDMの宛名書きとか、DM配りとか・・・。
制作以外の雑用が増えるんです。
そうなる前に絵をあらかた片付けておいて、余裕で宣伝活動を
しよう!と思っていながら、結局はバタバタになっちゃいますね。
とにかく。
人類みな平等に「一日24時間」しか与えられていないので、
今後はかなり効率的に事を進めて行かなければ。
「間に合いませんでした」では済まされないですからね。
2014/04/04 <タブロー7>
個展用タブロー7作目。
まあまあイイ感じに仕上がった。カッチリ描き込む事なく
「寸止め」出来たかな。その頃合いが難しいんですが。
紙もマーメイドで。
アルシュ紙より遥かに安いので、経済的にもたすかる〜!
でも表面は脆いので、酷使には耐えない。
その点はアルシュの方が断然強い。そこがマーメイドの難点。
さて。個展搬入日まで後約2週間!ほんとヤヴァイです!!
まだ大物(B1サイズ)を3枚描かなきゃならない。
あ〜、ほんとに終わるのかなぁ〜?
つれづれ日記 ー2014 3月ー
NEW! 2014/03/29 <タブロー6>
個展用タブロー6作目。
けっこうイメージに近い感じになってきた。
今回は紙を、使い慣れた「マーメイド紙」に変えてみた。
前回まで高級な「アルシュ紙」なんか使ってみたもんだから、
上手くいかなかったのかな?
慣れない事はやるもんじゃないですね。
とは言え、次も上手くいくとは限らないけど。
3、4割の部分を偶然性に頼ってるので、良い方に転ぶ時も
あれば、裏目に出る事もある。何にも起らない時もある。
なので理想としてはたくさん描いて、その中からイイのだけ
をチョイスして展示するのがベターなんだけど。
今回は(というか毎回)、バタバタして作品が足りなくて、
イマイチなのも展示せざるを得なくなっちゃうんですけどね。
さぁ、泣いても笑っても、個展開催まであと、3週間!!
2014/03/24 <タブロー5>
個展用タブローの5作目。
やっぱり上手くいかなかった。
マチエルも出てこず「ヌルッ」とした質感になってしまった。
なんだかピエール&ジルっぽい(つまりゲイっぽい)作品に。
描き出しは良かったんだけどなー。
ディテールを描き込むにしたがって、固くなっていくなぁ。
描き込まずにボヤッとした状態のままでフィニッシュしたいの
だが、そうすると、完成度的に物足りない感じになってしまう。
ドローイングだったらそれで良いんだけど、タブローと銘打つ
からには、やはりある程度の密度も欲しいし。
ん〜、悩ましいところです。
ま、とにかく。個展開催まであと、26日!
2014/03/19 <タブロー4>
個展用タブローの4作目。
ん〜、うまくいかなかった。
私は何をやっているのでしょう?
マチエルも出てこなかったし、思い通りに運ばなくて
気がついたら「バルール合わせ」をしちゃってた。
初動のイメージが希薄なっていくんだよなー、変に
時間がかかると。
で、時間がかかったワリには駄作になってしまうという。
こういう場合は途中で見切って、次に切り替える勇気も
必要かも。
でも「もったいない」とか思っちゃうんだよなー。
貧すれば鈍する。って感じでしょうか。
さて、個展開催まであと、1ヶ月!
2014/03/09 <タブロー3>
個展用のタブローの3作目。
前回と同じ紙に描いたのに、今回はマチエルがイイ感じで出てこなかった。
コレはけっこう痛い!どうしてなんだろう?
手順とかの違いなのかな?
偶然性に頼って描くといつもこういう事が起るので、予定どおり進まなくて
困る。
DMの発注リミットなので、画像をどれか一つ決めなければならないのだが、
個展を象徴するような一作がまだ、出来てこない!
ん〜、まいったな。
普段はやらないのだが、今後は2枚同時進行とかやらないと終わらない。
個展開催まであと、41日。
2014/03/04 <習作6>
個展用習作6作目。
今回は下描きせずに描き始めたが、構図的に大きく入り過ぎてしまった。
デッサン的にはチョイチョイ変なとこあるけど、それはまぁ善しとする。
マチエル的には結構、イイ感じに出来たと思う。
ただ、それを追い過ぎた結果、画面全体が暗くなってしまった。
明るい部分は、紙をほぼ真っ白な状態で残した方が、かえって絵が締まる。
ま、紙を変えてから2作目なので、まだちょうどいい案配が分からない。
もう少しこの紙で描いてみよう。
とにかく。
個展開催まであと46日!
2014/03/02 <O Jun展>
府中市美術館に「O Jun展」を観に行ってきた。
自宅からチャリで15分くらい。あいにくの小雨降りでしたが。
偶然「O Jun × 石田尚志」の公開対談をやっていたので参加してきた。
「目が見えない状態」でバラの花を手で触って、それを描くという
パフォーマンスの映像を観せられて、そこからの対談だったのだが、
いくつか興味深い話があった。
見えなくても(見なくても)、身体の運動としての「描き」には致命傷
にならない。という言葉が印象的だった。
つまり、プローポーションや色をモチーフ(現物)に合わせる行為や、
パースペクティヴや空気遠近法や超絶技巧を駆使して「再現」する事には
興味がなく、「描く」という行為自体を獲得したい、と。
これは日頃、私自身も考える事があるので、とても参考になった。
カタチやバルールを合わせる事に、果たしてどれほどの意味があるのか?
もっと進んで、そもそもモチーフは必要なのか?
それから、ナラティヴを紡ぐ事やメッセージを訴える事も、あまり重要視
していない。それよりもライヴ(今、起っている事象)・・・例えそれが
正しかろうが、間違っていようが・・・に関心がある、と言われていた。
とにかく、「今ココにある描き」って感じでしょうか。
これは筋が通っていて羨ましいですね!
自分の場合は「描き」だけでイイじゃん、と思いつつも、ナラティヴを紡
ぐ事は必要なんじゃないかな?という迷いがまだある。
ま、どれか一つだけが正解、って世界じゃないけれど、ね。